とある事情。

とはいっても、それがどういう事情によるものなのかは、俺にも説明不可能なんだけど……。
とにかく俺は4人の女の子達と人里離れた場所で長い春休みを過ごすことになってしまった。
どれだけ人里離れているかというと、まずコンビニなんかは当然ない。
携帯だってないし、やけに性能のいいノートパソコンは山のようにあるけど、ネット環境はない。
そこにあるのは、温泉宿みたいな大きな寮舎と、廃校寸前っぽい校舎。
休み中の田んぼと、実った冬野菜が並ぶ畑。
遠くに見えるのは雪を頂いた青い山脈と、綺麗に澄んだ海。
……そして、空の果てまで続く、見たことのないほど高い、用途不明の煙突。

ファンタジックな出来事も、SFちっくな出来事も、ミステリーみたいな出来事もなく、
それなりにいろいろありながらも俺は4人の女の子と平穏な毎日を
過ごしていたつもりだったが、それは大きな間違いだった。
女の子の1人。無茶なことをしがちな静夏が、唐突に言ったのだ。

「ここをこの男のハーレムにするわ!」

ハーレムって言ったら、あの……その……。ええええっ?!
いったいハーレムが何を意味するのか、俺は服を脱ぎ始めた静夏に教えられることになって……。